2月27日・3月14日上映/『朱花(はねづ)の月』
奈良市内から南へ約1時間。飛鳥を舞台にした『朱花の月』は、飛鳥広域行政事務組合の橿原市、明日香村、高取町という三市町村の全面的なバックアップによって製作された。
拓未の工房が置かれた明日香村の栢森は、時の天皇が吉野への行幸の際に通った道が今も残る集落。多くの山村同様、過疎化が進むこの集落では、映画のシーンにもあるように、子孫繁盛を願い、村人の願いを託して、毎年一本の鯉のぼりを揚げ、その数は年ごとに増えている。
遺跡の発掘現場は、いまだ多くが謎に包まれている藤原宮跡。拓未の祖父・久雄が、八木町(橿原市)から、加夜子の祖母に一目会うために歩く道は、日本三大山城のひとつ、高取城の城下町として栄えた高取町の土佐街道である。
大和三山をはじめ、かつて天武・持統天皇が見たであろう飛鳥の風景は、カンヌでも大絶賛された映画のもう1つの主役といえるだろう。
主な撮影地
橿原市 高取町 明日香村
あらすじ
遠い昔より、神々の宿る地とされている香具山、畝傍山、耳成山――飛鳥地方にある“大和三山”は、今なお万葉の時代と変わらぬ姿を見せている。朱花という色に魅せられた染色家の加夜子(大島葉子)は、地元PR紙の編集者の哲也(明川哲也)と長年一緒に暮らしているが、かつての同級生で木工作家の拓未(こみずとうた)と、いつしか愛し合うようになっていた。
幸せなときを過ごすふたりだったが、加夜子が身ごもったことを機に、平穏な日常に変化が訪れる。拓未からの“言葉”を期待する加夜子、小さな命の訪れを待ち焦がれる拓未。そして加夜子に気持ちを打ち明けられても、変わらぬ愛で向き合おうとする哲也。大和三山を男女になぞらえ「一人の女を二人の男が奪い合う」。幾多の万葉歌に詠われているように、それは今も昔も変わることはないのか……。
詳細
出演:こみずとうた、大葉葉子、明川哲也
監督:河瀬直美
(2011年制作 91分)
上映日 / 上映時間
・2021年2月27日(土)
上映時間:14時~15時31分
・2021年3月14日(日)
上映時間:10時30分~12時01分
ご来場について
- 入場無料
- 定員:先着25名
※事前予約は不要です。直接会場にお越しください。
会場
今井まちなみ交流センター 華 甍(はないらか)
〒634-0812 奈良県橿原市今井町2丁目3−5